腰痛予防に向けたピラティスエクササイズ&ストレッチ3選
ひと言で腰痛といっても、実は人が「痛い」と感じている箇所は様々です。背骨を構成している一つ一つの骨の間に位置する「椎間板」や「椎間関節」、背骨と骨盤を結ぶ役割をしている「仙腸関節」、そのほか筋膜や骨、神経など、腰痛が発生する箇所は多岐にわたっています。
よって、腰痛を感じた時には、どこが痛いのかを正確に把握するとともに、なぜそれが起こっているのかの原因も考える必要があります。
腰痛の原因は沢山ありますが、大きくは以下3つに分けられます。
それぞれ具体的に見てみましょう。
1. 体幹が弱い
体幹は、「腹横筋」「骨盤底筋群」「多裂筋」「横隔膜」の4つの主な筋肉で構成されるインナーユニットのことを指します。その中でも特に代表的なインナーマッスルである腹横筋は、まるでコルセットのようにお腹を包みこみ、腰部と腹部を支えています。
例えば、重い荷物を持った時でも、腹横筋を使って腹圧を高めることができれば腰に負担がかかりませんが、もし筋力が足りないまま同じ動きをしてしまうと腰を痛める原因になります。
関節への負担を減らすためには、インナーマッスルを強化し、正しく使えるようになることが不可欠です。
2. 姿勢が悪い
背骨は体の大黒柱としての役割を担っています。日常生活において姿勢が悪い状態が長く続くと、特定の場所に負荷がかかり、痛みを引き起こす原因となります。
例えば、腰部が過度にそっている「そり腰」は、体の背部を過度に緊張させます。また、猫背や骨盤のゆがみなども、腰部や椎間関節に過度な負担をかけます。
3. 骨盤周辺の筋肉が硬い
骨盤は、体の上半身と下半身をつなぐ要の存在です。太ももの裏の筋肉である「ハムストリングス」や太ももの前側の筋肉である「大腿直筋」、上半身と下半身をつなぐ筋肉である「腸腰筋」など、骨盤周辺に位置する筋肉に柔軟性がないと、骨盤をうまく動かせずに腰部に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
例えば、ハムストリングスが硬い人は骨盤を後傾する際に腰部に負担がかかるだけでなく、お尻の中の筋肉のこわばりによる痛み、いわゆる「梨状筋症候群」を感じる場合もあります。
では続いて、上記のような原因に対してピラティスが有効なのかをみていきましょう。
1. インナーマッスルを強化できる
ピラティスでは、勢いや反動を使わずに、体の内側からコントロールしながら動かしていきます。これにより、腹横筋をはじめとしたインナーマッスルを強化し、自然と正しく使えるようになることができます。
2. 姿勢を改善することができる
ピラティスでは、体に負担のない「ニュートラル」なポジションでエクササイズを行なっていくことを重視しています。ピラティスのエクササイズを通じてニュートラルなポジションを体に覚えさせていくことで、骨の配列(アライメント)を整え、姿勢を改善することができます。
3. 安全にしなやかな体をつくることができる
ピラティスは、安全な順番で全身くまなく動かすようにプログラミングされています。特に、「エロンゲーション」と言われる体の内側から背骨を引き延ばす動作では、深い呼吸を通じて、椎間関節への圧迫をかけずに、しなやかな体をつくっていくことができます。
※息を吐く時にお腹を収縮させることにより、インナーマッスルの腹横筋を動員させます。
ドローイン
梨状筋のストレッチ
ハムストリングスのストレッチ
いかがでしたでしょうか?ストレッチは無理せず、気持ち良い範囲でやっていきましょう。繰り返し伸ばしていくうちに柔らかくなっていきます。